ゴイアニア~フォタレザ 2千キロの旅 第5話
目を覚ますと、ゴイアニアとはまた違った爽やかな空気を感じた。
あいにくうす曇の空模様だったが、散歩するには丁度良く、彼はまだ足を引きずっていたけれど、昨日よりも足の腫れは多少引いていてほっとした。
義父の「海の家」から海岸までは1キロくらいの距離があるらしかったが、まだ涼やかな朝だったので海岸を少し散歩しようということになり、義姉の旦那さんとわたしと彼で海岸まで車で行くことになった。
この辺の海岸は「Morro Branco」と呼ばれていて、自然が作り上げた小さな峡谷が白いことから「白い山」という呼び名がついており、まだまだ観光化されてはいなかったが、小さなホテルが数軒あったり、露天が出ていたりして観光客もそれなりにいた。
観光客達はいくらかのお金を払って「Morro Branco」ツアーに出掛けていたので、わたし達もそれに続いた。
ツアーは渓谷の上の方から始まって、少しずつ下へ下へと下って行くというもので、ほんの30分ほどで出口に出たが、目の前にはブラジルの真っ青な空と海、真っ白な砂浜が大きく広がっていた。何よりもまだ観光化の進んでいない海岸だから人はまばらで、その美しさをより誇示していた。
海岸線を散歩しながら車を停めた辺りに到着した頃には朝曇りはすっかり吹き飛んで雲一つない真っ青な空が広がっていた。
散歩している間は回りの景色に見とれていて忘れていたが、この強い日差しの中で背中を露にした洋服で日焼け止めクリームを塗っていないことに気づいた。以前、日本の海岸で焼けど状態になったことがあるからそれ以来、海でもプールも完璧に日焼け止めを用意するわたしだったけれど、雲っていたことからつい油断してしまったのだ。
既に肩は赤くなってヒリヒリしていたが、日差しが出てからほんの20分くらいだったからなんとか大丈夫だろうと急いで家に戻ってビーチに出る準備をして出直すことにした。
そして、家に戻るとなんだか騒ぎが起こっていた。
どうやら「トイレ」が詰まったようだった。
全くブラジルの工事はいい加減そうだなぁと思っていると、義父がうちの人に何か尋ねていて、わたしの名前が出たのを聞きつけて直感で義父がわたしを疑っている事を察知した。
前にも書いたけれど、ブラジルのトイレは配管が細いのでトイレットペーパーを流せない。で、父はトイレットペーパーを流す習慣のある外人のわたしを疑っているようだった。モチロン、わたしは流していない。。。心の中で
「あんた達のうん○がデカ過ぎるから詰まったのよ!フン!」
と思いつつ、小声でペーパーを流してないか聞いてくる彼にはっきりと
「ノー!」
と言い切るわたしだった。
そして、海岸へ出掛ける途中でもよおして来たわたしは、止む無く草むらで用を足す羽目になったのであった。。。観光化されていないと、こういう所に不便が出てきてしまう。。。
そして、数歩離れた所に人間様のブツが既に横たわっていた。。。
なんで人間様のものと分かったかというと、ブツの横にトイレットペーパーが落ちていたからだつた。。。
つづく