ゴイアニア~フォタレザ 2千キロの旅 第4話
早朝にはどうしたものかと思うほどに腫れ上がったわたしの顔だったけれど、冷たいミルクがよかったのか、午後には他人が見てもビックリ仰天するほどではなくなった。その代わり、彼の足首はパンパンに腫れ上がり、歩くのもやっととなっていた。
弟は運転したくなかったのか終始不機嫌で車内の空気は重々としていた。
二日目の夜にはフォタレザに到着できるように、早朝明ける前にゴイアニアを出たけれど、フォタレザに入った時には夜の10時を回っていた。ただでさえ標識のないブラジルで真っ暗な道だから何度も訪問している父もすっかりお手上げ状態になっていた。
誰かに聞こうにもほとんど人通りがなく、同じような道をぐるぐる回りながらどうにかこうにか義父の「海の家」に到着した時は深夜の0時を回っていた。
真っ暗な平屋の家にわたし達が到着するとぱっと電気が灯った。
誰だろうと思っていると、中からゴイアニアでわたし達を送り出した彼の姉家族がそこにいた。
彼らは飛行機で来ていたのだ。
後から聞いた話によると、彼と弟がチケット代をプレゼントしたのだとか。そして、ほとほと疲れきったわたし達に、姉は
「車でなんてほんとにご苦労様」
みたいな事をいった。そして、この瞬間にやっぱりブラジル人にとっても5千キロものドライブは普通でないと悟ったわたしだった。。。
車から降り立つと、足もとのサラサラの砂が海岸がすぐ近くにあることを思わせた。
お義父さんが誇らしげに「海の家」を案内してくれたのだが、わたしは車でグルグルグルグルノロノロ運転したせいかかなり気分が悪くなっていたし、彼は誰かにつかまらないとほとんど歩けないほどの足首の痛みで義父の話にほどほどしか付き合えず悪いと思ったが、そのまますぐにベットにもぐりこんだ。
つづく