ゴイアニア~フォタレザ 2千キロの旅 第2話 | ブラジル発 セクシー&キュートな洋服屋の生活裏話 (格安ネットショップもオープン ダンスファッション サルサ ナイトクラブに!)

ゴイアニア~フォタレザ 2千キロの旅 第2話


日本では荘厳としたムードで向かえるお正月。


ゴイアニアでは新年のショボイ花火が上がるだけで、特別何もイベントはない。そして、お金持ちはその時期、ビーチで長期の滞在を楽しむのだ。


お金持ちでなくても、それなりにビーチとか川に向かう人が多い。


そして、わたし達は義父の自慢の「海の家」へと出掛ける事になった。義父はもう何度も彼女と二人で車で往復していた(恐るべし体力)


結局今回は、お義父さんのセダンの車にわたしと彼、彼の弟、義父、義父の彼女の5名が同乗する事になった。そして、その時点ですっかり憂鬱になったわたし。。。


というのも、5千キロものドライブ(これもドライブと言うのだろう)に大の大人5人で行くのだ。しかも、みんなそこそこデカイ。特別太っているわけではないが、やはり後部座席に3人の大人が、しかも骨格のデカイ大人が座るとキュウキュウになる。


わたしは兄弟二人なので後部座席に2人以上乗って旅行という経験がなかった。大人になってスキーとかに行く時でも車には4名以上乗ったためしのない贅沢者だったのだ。。。


けれど、ここで駄々をこねてもしかたがなかったので、取り敢えず車に乗りこんだ。


結局、彼が運転、弟が助手席、義父の彼女、義父、わたしの並びで後部座席に座った。後部座席の3人は各自遠慮がちに小さくなろうと努力していたが、努力して小さくなれるわけもないので、やっぱりキュウキュウは免れなかった。。。


少しでも早く現地に着けるようにと、朝の4時には起き出して暗い内からゴイアニアを後にした。

そして、ひたすらただただ車は走っていく。


日本での常識で「長時間運転の場合2時間毎に休憩をいれよう」というのがあるが、こんな事はお構いなしである。出発して一度朝食代りにコーヒーを飲んだが、ほんの10分くらいですぐに車に戻った。そして、ランチに2時くらいに道沿いの寂れたレストランに入って、また永遠にドライブは続く。途中の道路は雨季の大雨で所所大きな穴が開いていて、ぼんやり運転していたら、穴にはまって車がダメージを受けるからスピードもあんまり出せない。


道路の悪さはその州の貧しさに比例している。ゴイアニア界隈は首都のブラジリアがあることもあって雨季にできた穴はたいてい乾季の内に舗装される。ところが、貧しい北に行けば行くほど道路はガタガタ最悪である。


そして、ブラジルは標識が皆無に近い。途中で小さな町に入っては、道行く人に方向を確認する必要がある。


今回のドライブで唯一の贅沢はエアコンがついているという事ぐらいだった。もしも、エアコンもついてなかったら。。。切れてたかもしれない。。。(笑)


というのも、ブラジルの1月は真夏に当たり、突き刺すような日差しがスモークをかけた車の窓からも容赦なく襲いかかっていた。


予定では、夜は物騒だからなるべく早く少しまともなホテルを探してゆっくりとしようということになっていた。


ところが、思っていた通り、7時になっても8時になっても車は走り続ける。そして、すっかり日が暮れて、もうやばいのではないかという10時頃になってホテルを探し始めるが、小奇麗なホテルは満室状態だった。土地鑑のない町の中で人に聞きながらホテルを探しに探してやっと見つかったのは、ひとりの宿泊料がR$15(約800円)というトイレとシャワーが共通の寂れた佇まいだった。。。


つづく